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外壁塗装の下塗りの重要性を解説!素材に合わせた最適な塗料と施工のコツ

外壁塗装における下塗りは、塗料の密着性を高め、塗膜の耐久性を確保するために欠かせない工程です。サイディング、モルタル、金属など、外壁の素材ごとに必要な塗料の種類や処理方法は異なり、たとえばサイディングにはシーラー、モルタルにはフィラー、金属外壁にはプライマーなど、素材に応じた使い分けが求められます。

 

とくに注目されているのが、密着性の高いプライマー「ミッチャクロン」などの製品。これらを正しく使いこなせば、塗料の吸い込みを抑え、ひび割れや剥がれ、色ムラの発生を未然に防ぐことができます。

 

この記事では、下塗りの基礎から始まり、塗らないリスクや失敗事例、素材別の最適な塗料の選び方、さらに下塗りに適した製品までを徹底的に解説しています。施工の質が問われる今こそ、正しい知識を持っておくことが重要です。

 

外壁塗装なら有限会社朝日塗工

有限会社朝日塗工は、外壁塗装を専門とする会社です。お客様のニーズに合わせた最適な塗装プランをご提案し、高品質な仕上がりをご提供します。長年の経験と技術を活かし、耐久性と美観を兼ね備えた塗装を実現します。また、施工後のアフターサービスも充実しており、お客様の満足度を第一に考えています。外壁塗装をお考えの際は、ぜひ有限会社朝日塗工にご相談ください。信頼と実績のある私たちが、丁寧に対応いたします。

有限会社朝日塗工
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住所 〒277-0884千葉県柏市みどり台2丁目21−59
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外壁塗装の下塗りとは?役割と重要性を解説

下塗りとは何か?外壁塗装における基礎知識

外壁塗装における「下塗り」は、建物の美観と耐久性を大きく左右する非常に重要な工程です。一般的に「3回塗り」とされる外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りの順に施工を行いますが、その最初に行う下塗りは、後の中塗りや上塗りの性能を最大限に引き出すための基礎作業といえます。

 

下塗りの主な目的は、上塗り塗料の密着性を高めること、劣化した下地への塗料の吸い込みを抑えること、そして下地自体の補修・補強を行うことです。この工程を省いたり、適さない下塗り材を選んだりしてしまうと、たとえ高品質な上塗り塗料を使用しても、期待される性能が十分に発揮されず、早期の剥がれやムラといった不具合につながります。

 

使用する下塗り塗料には、「シーラー」「プライマー」「フィラー」などがあります。それぞれに異なる機能があり、外壁材の種類や劣化の程度、さらには上塗りとの相性などを総合的に判断して選定されます。たとえば、サイディング外壁には吸い込みを防ぐ水性シーラー、モルタル外壁にはひび割れ補修効果のある微弾性フィラー、金属の外壁や屋根には防錆効果のあるプライマーが適しています。

 

また、状況によっては、下塗りを2回行うケースもあります。これは、外壁の劣化が進んでいて吸い込みが激しい場合や、しっかりとした下地補強が求められる場合などに行われます。近年では、品質重視の塗装業者が標準で「下塗り2回」を導入している例も増えています。

 

下塗りは、一般の方にはあまり注目されない工程ですが、実は外壁塗装全体の寿命やメンテナンス周期を左右する「見えない重要工程」です。そのため、見積書を確認する際には、「どの下塗り塗料を使用するのか」「何回塗るのか」「乾燥時間はどの程度か」といったポイントをしっかり確認することが大切です。

 

以下に、主な下塗り材の特徴と用途を表にまとめました。

 

下塗り材の種類 特徴 主な用途 対応素材
シーラー 浸透性が高く、吸い込みを防止 経年劣化した下地の処理 サイディング、モルタル
プライマー 密着性向上、防錆効果タイプも有 金属・特殊素材の下処理 金属、木部、プラスチック
フィラー 厚膜形成、ひび割れ補修効果 クラック補修、凹凸調整 モルタル、ALC等

 

塗装現場では、素材の状態や天候なども考慮し、適切な下塗り材を選定し、適切な塗布量と乾燥時間を確保することが求められます。特に冬場や梅雨時などは、乾燥が不十分になりやすく、塗膜不良のリスクが高まるため注意が必要です。

 

下塗りが必要とされる3つの理由

外壁塗装において下塗りが欠かせない理由は、大きく分けて「密着性の確保」「下地の補修・保護」「吸い込みの抑制」の3点です。いずれも外壁の仕上がりと長寿命化に直結する重要な要素であり、どれか1つが欠けても施工トラブルや早期の劣化につながる恐れがあります。

 

まず1つ目は、「塗料の密着性を高めること」です。外壁表面には肉眼では確認しづらい細かい凹凸や劣化によるザラつき、旧塗膜の劣化層などが存在しています。こうした下地に直接上塗りを塗っても、密着が不十分となり、短期間で剥離や膨れなどの不具合が発生してしまう可能性があります。下塗り材は、こうした表面にしっかりと浸透し、塗料を密着させるための「接着剤」のような役割を果たします。

 

2つ目は、「下地の補修と保護」です。モルタルやALC外壁では、経年によるクラック(ひび割れ)が非常に起こりやすく、これをそのままにして塗装しても、仕上がりの見た目だけでなく、雨水の侵入などで建物の劣化が進行してしまいます。フィラーと呼ばれる下塗り材には、厚膜形成によって表面の凹凸や小さなクラックを埋める機能があり、下地を補修・保護する役割を果たします。

 

3つ目は、「吸い込みの抑制と仕上がりの均一化」です。特に劣化が進んだ外壁材は塗料の吸収が激しく、塗布しても色ムラやツヤの不均一が発生しやすくなります。シーラーやプライマーを使った下塗りは、この吸い込みを均一に整えることで、上塗り塗料の色味や質感を安定させ、美しい仕上がりを実現するために重要な工程となります。

 

以下に、下塗りがもたらす効果とそれぞれに対応する塗料や外壁素材をまとめました。

 

下塗りの目的 得られる効果 推奨される下塗り材 適した外壁素材
密着性の向上 塗膜の剥離防止、仕上がりの安定 プライマー、シーラー サイディング、金属、木部等
補修と保護 クラックの補修、耐久性の向上 フィラー、微弾性フィラー モルタル、ALC等
吸い込みの抑制 色ムラ・ツヤムラ防止、美観の確保 浸透性シーラー、プライマー 経年劣化した外壁全般

 

下塗りが必要な理由と塗らないリスク

下塗りを怠るとどうなる?具体的な劣化症状とは

外壁塗装において「下塗り」は、塗装の基礎を固める極めて重要な工程です。この工程を省略する、あるいは適切に行わないことによって、住宅の外壁には多くの劣化症状が現れやすくなります。以下では、実際に下塗りを怠ったことによって引き起こされた具体的な劣化症状について詳しく解説します。

 

外壁塗装の現場でよく見られる劣化には、以下のような症状があります。

 

表)下塗りを省略・不適切な施工時に起きる主な劣化症状

 

症状 原因 発生時期の目安
塗膜の剥がれ 下塗りがなされず、密着性が不足したため 塗装後1年以内に発生
色ムラ 下地の吸い込みムラをカバーできず、上塗りが不均一 施工直後から目立つ
チョーキング 下塗り不良で上塗りの保護力が低下 2~3年程度で発生
ひび割れ 下地の補修不足によりクラックが再発 施工後1年以内に発生
カビや藻 吸水性の高い下地が露出し湿気を溜めやすくなる 1~2年で目立ち始める

 

まず最も頻繁に報告されるのが、塗膜の「剥がれ」です。これは下塗りを行っていない、あるいは使用した下塗り塗料が不適切だった場合に、上塗り塗料が下地に密着せず、早期に剥がれてしまう現象です。特にモルタルやサイディングといった吸水性のある外壁材では、シーラーやフィラーなどの適切な下塗り材の使用が不可欠です。

 

下塗り不足による施工クレームやトラブル事例

外壁塗装における施工トラブルの中でも、下塗り不足によるクレームや再施工要望は決して珍しくありません。施主からの苦情や不満が多い理由は、見た目は一見問題がなくとも、数ヶ月から数年で目に見える形で劣化が始まりやすいためです。ここでは実際に報告されているトラブル事例や、下塗り不足が引き金となったクレームについて詳しく紹介します。

 

以下のような内容で、顧客からのトラブルや施工業者への信頼喪失が起きています。

 

表)下塗り不足が原因となった主なトラブルとクレーム例

 

事例内容 問題点 影響
施工3ヶ月で塗膜剥離 下塗り未施工または塗布量不足 再塗装費用が発生
色ムラで再施工要望 下塗りによる吸収調整をしていなかった 業者の信用が低下
チョーキングの早期発生 耐候性を下塗りで補っていなかった クレーム対応が長期化
塗膜の浮き・ふくらみ 密着不良により湿気が入り内部劣化 躯体への影響も懸念
ひび割れの再発 フィラー等の弾性下塗り材を使用せず施工 美観と防水性に問題

 

中でも多いのは、「保証期間内の塗膜剥がれ」による再塗装要求です。外壁塗装業者の保証期間は一般的に5〜10年ですが、下塗りが適切に行われていなかった場合、わずか数ヶ月で塗膜が剥離するケースもあります。このような事態は、施工主と業者の信頼関係を大きく損なう原因になります。

 

次に目立つのが、「色ムラによる外観不満」です。とくに施主が色にこだわっていた場合、わずかなムラでも不満が大きくなり、再塗装や値引き対応が必要になることもあります。このトラブルも、吸収ムラを抑える下塗り材(シーラーやフィラー)を適切に使用していれば未然に防げた問題です。

 

さらに、外壁塗装後にすぐ「チョーキング」現象が起きたという報告もあり、これは施工主からすると「粗悪な塗料を使ったのでは?」という不信感につながります。しかし多くのケースでは、使用塗料に問題があるのではなく、下塗りが適切に行われていなかったことが原因です。

 

業者側も、工程管理の甘さや職人の経験不足により、下塗りが省略されたり薄く塗られてしまうリスクを抱えています。これにより生じた施工不良の責任は、結果的に業者側が負うことになります。

 

実際のクレームを未然に防ぐためには、以下のようなポイントが重要です。

 

・見積書に「下塗り材の種類」「使用量」「乾燥時間」の記載があるかを確認
・「シーラー」「プライマー」「フィラー」の使い分けについて質問する
・施工中の写真を提出してもらうなど、施工記録を透明化する
・乾燥時間を厳守しているか業者に確認(特に冬季や梅雨時は重要)

 

これらをチェックすることで、下塗り不足によるトラブルを未然に防ぐことができます。また、信頼できる業者を見極めるための材料にもなります。

 

信頼性の高い外壁塗装を実現するには、単に「安い」「早い」だけで選ばず、しっかりと下塗りの工程と品質にまで目を向けることが、最も重要です。下塗りは見えない部分ですが、家の寿命を左右する基礎であることを忘れてはなりません。

 

外壁材に応じた下塗り材の選び方!

サイディング外壁に適した下塗り材と選定ポイント

近年の戸建て住宅やアパート、商業施設の外壁材として主流なのが「サイディングボード」です。特に窯業系サイディングは、そのコストパフォーマンスやデザイン性から多くの建築現場で採用されています。しかし、このサイディング外壁に適した塗装を行うためには、外壁の素材特性に合致した「下塗り材」の選定が非常に重要です。下塗りは、単に塗料を下地に密着させる役割だけでなく、外壁の耐久性や美観にも大きく影響します。

 

サイディングボードは、工場で仕上げ塗装されていることが多く、その表面は緻密かつ撥水性のある仕上がりになっています。この表面に対して適合しない下塗り材を使用すると、塗膜が密着せず、施工後数年で「剥がれ」や「膨れ」といった不具合が発生する可能性があります。したがって、サイディング外壁には、素材への浸透性と密着性に優れた「シーラー」または「フィラー」を使用することが基本となります。

 

以下の表は、サイディング外壁に使用される下塗り材の種類と、それぞれの特徴をまとめたものです。

 

下塗り材の種類 主な用途 吸い込み調整機能 密着性 推奨塗装方法
水性シーラー 表面の吸い込みが少ない新築や再塗装向け 中程度 高い 刷毛・ローラー
弾性フィラー ヘアークラックや経年劣化した表面に適応 高い 高い ヘッド付きローラー推奨
微弾性サーフ 吸い込みが大きく、模様付けが必要な外壁に 高い 高い ローラーで厚塗り施工

 

このように、外壁の劣化状況や表面の状態、そして塗装の目的に応じて、下塗り材の選定を行う必要があります。たとえば、経年劣化により細かなひび割れ(クラック)が生じているサイディング面には、「弾性フィラー」や「微弾性サーフ」の使用が適しています。これらは下地調整材としての機能も持ち、下地の凹凸を埋めて塗膜の均一性を高めてくれます。

 

一方、新築時や表面に劣化がほとんど見られない状態では、透明または白色の「水性シーラー」が適しています。シーラーは塗料の吸い込みを抑える効果もあるため、上塗りの仕上がりが均一になり、色ムラや塗料の無駄を防ぐことができます。また、近年では「プライマー」と呼ばれる下塗り材も登場しており、金属系サイディングや光触媒処理されたサイディングに対して、特別な接着性能を発揮します。

 

下塗り材選定の際に重要なポイントは以下の通りです。

 

  • 外壁材の種類(窯業系、金属系、樹脂系など)
  • 劣化の程度(ひび割れ、吸い込み、チョーキング現象など)
  • 上塗り塗料の種類との相性(シリコン系、ラジカル制御型、フッ素系など)
  • 施工時期と気候条件(乾燥時間や施工間隔に影響)

 

モルタル外壁に必要な下塗り材と処理方法

モルタル外壁は、セメントと砂、水を主原料とした左官仕上げの外壁材で、非常に高い施工自由度と防火性を持ち、昔ながらの住宅や一部の注文住宅でも多く使用されています。しかし一方で、経年劣化による「クラック(ひび割れ)」の発生が非常に多く、塗装時には特に注意深い下地処理と下塗り材の選定が求められます。モルタル特有の問題点と、それに対応した下塗り材や処理方法を正しく把握することが、仕上がりと耐久性に大きく関係してきます。

 

まず、モルタル外壁で最も頻繁に見られるのが「ヘアークラック」と呼ばれる細かいひび割れです。これは乾燥や経年による収縮の影響で発生し、見た目だけでなく塗料の吸い込みや塗膜の剥がれ、雨水の侵入による中性化や鉄筋の腐食など、深刻な問題に発展することもあります。そのため、単に塗料を塗るだけでは不十分で、下地補修と下塗り工程をセットで考える必要があります。

 

モルタル外壁に下塗りを行う際の最初のステップは、高圧洗浄による表面の清掃と、クラックのチェック・補修です。一般的に、幅0.3mmを超えるクラックについては「Uカット」処理やエポキシ樹脂注入といった補修工程が必要です。その後に弾性フィラーや微弾性サーフといった下塗り材を選定します。

 

特に弾性フィラーは、モルタル壁に多い経年クラックに対応できる点が強みです。塗膜に弾性を持たせることで、壁面が微細に動いても追従し、再発を抑える効果が期待できます。また、弾性フィラーは肉厚で模様を整える効果もあるため、仕上がりの美観にも貢献します。これらのフィラー材は、上塗り塗料との相性も重要で、シリコン系やフッ素系の塗料と組み合わせることで、耐久年数が飛躍的に向上します。

 

また注意すべき点として、モルタル壁は他の外壁材に比べて塗料の吸い込みが激しい傾向があります。そのため、吸い込みムラを抑制し、上塗りの色ムラや仕上がり不良を防ぐためにも、下塗り材の塗布量や塗布回数を適正に管理することが求められます。場合によっては「下塗り2回塗り」が必要になることもあります。

 

施工現場では、塗装業者による工程省略が問題となることがあります。見積もり段階で下塗り材の種類や施工方法について明示していない業者には注意が必要です。誠実な業者であれば、下塗り材の「メーカー」「製品名」「塗布量」「乾燥時間」まで説明してくれます。

 

下塗り材選定や処理方法に迷った場合、専門業者へ「無料診断」を依頼するのも一つの手段です。モルタル外壁は特に劣化進行が分かりづらいため、目視だけで判断せず、プロによる劣化診断を活用することが安心です。

 

モルタル外壁に最適な下塗り材と施工方法を選ぶことで、見た目の美しさだけでなく、住まい全体の耐久性や防水性を大きく向上させることが可能です。下塗り材の選定は、長期的なトラブルを未然に防ぐためにも、非常に重要なステップといえるでしょう。

 

金属系外壁にはプライマー!

密着力が違います。プライマーの特徴とメリット

金属系外壁の塗装においては、下塗り材としてプライマーを適切に選定することが非常に重要です。金属は表面が滑らかで、塗料の密着が難しい素材ですので、プライマーの性能が不足していると、塗膜の剥がれや膨れ、さらには早期の劣化が発生してしまいます。信頼できるプライマーを使用することで、塗料の密着性を高めながら、下地の保護機能を高めることができます。

 

特に代表的な製品の一つに「ミッチャクロン」があります。ミッチャクロンはステンレス、アルミニウム、ガルバリウム鋼板といった塗料の密着が難しい素材にも対応できる優れた密着力を持っています。また、速乾性にも優れており、塗布から上塗りまでの工程がスムーズに進められるため、施工時間の短縮にも貢献します。透明または白色の塗膜で、上塗りの発色にも影響を与えにくい点も評価されています。

 

プライマーの使用には、塗膜の密着性を高めるだけでなく、防錆機能を持たせるという大きなメリットがあります。屋外にさらされる金属外壁は、雨風や紫外線、気温差の影響を受けやすく、錆の発生リスクが高くなります。そこで、プライマーの塗布によって金属自体の劣化を防ぎ、外壁の長寿命化につながります。

 

さらに、プライマーは塗料の吸い込みを均一にし、上塗り塗料の色ムラや光沢不良を防ぐ役割も果たします。これにより、美しく均一な仕上がりが実現しやすくなります。プライマーの性能を最大限に発揮するためには、事前の下地処理が不可欠です。油分やサビをしっかりと除去するケレン作業を行い、清潔で安定した塗布面を整えてからプライマーを塗ることで、高い施工品質が保たれます。

 

適切なプライマーの選定と施工によって、金属外壁の耐久性が飛躍的に向上し、メンテナンスの頻度やコストも軽減できます。信頼性の高いプライマー製品の活用は、外壁塗装の品質を左右する重要なステップとなります。

 

おすすめの金属用下塗り製品と選び方

金属外壁に使用する下塗り材を選ぶ際には、対象となる金属の種類、施工環境、求められる機能性などを踏まえて慎重に選定する必要があります。大手メーカーからは、高い性能を備えた信頼性の高い製品が多数提供されています。

 

まず、日本ペイントの「ハイポンファインプライマーⅡ」は、鉄や鋼板への防錆性に優れた2液型エポキシ系プライマーです。優れた防食性能と強い密着力を併せ持ち、屋外の厳しい条件下でも安定した塗膜を形成します。また、乾燥時間が比較的短いため、施工効率の向上にも寄与します。

 

一方、アサヒペンが提供している「油性さび止め塗料」は、比較的低コストながら信頼性の高い製品として広く活用されています。特にDIY用途でも使いやすく、1回塗りでもある程度の密着性と防錆性能を得られます。プロの現場では、重ね塗りを前提として、下塗りとして使用されるケースが多く見られます。

 

以下のような視点で、下塗り製品の選定を行うことが望ましいです。

 

  • 使用する金属素材との相性(ガルバリウム鋼板、ステンレス、アルミなど)
  • 防錆性能と塗膜の耐久性
  • 上塗り塗料との組み合わせ可否(メーカー推奨)
  • 乾燥時間や適用温度の範囲
  • 施工環境やスケジュールへの適合性

 

プライマー塗布後には、メーカーが指定する乾燥時間をしっかりと守ることが重要です。乾燥が不十分なまま中塗りや上塗りを行ってしまうと、塗膜の剥離やひび割れ、気泡の発生など、施工不良の原因となります。そのため、製品仕様に従い、塗装間隔を正確に管理することが必要です。

 

また、近年ではVOC削減を意識した水性プライマーの導入も進んでいます。特に環境対応を重視する公共施設や法人案件では、揮発性有機化合物を抑えた塗料の採用が求められる傾向にあります。そのため、施工環境に応じて、環境性と施工性を兼ね備えた製品を選ぶことが、これからのスタンダードとなっていくでしょう。

 

モルタルやサイディングにはシーラーとフィラーを使い分ける理由

シーラーの役割と適した素材とは

外壁塗装において、シーラーは塗料の密着力を高める基礎的な工程のひとつとして重要な役割を担っています。特にモルタルやサイディングなど、素材によって塗料の吸い込み具合や表面の状態が異なるため、それぞれに適したシーラーを選ぶ必要があります。

 

シーラーには主に「水性タイプ」と「油性タイプ」があり、それぞれの特性を理解して使い分けることが、施工品質に直結します。水性シーラーは、環境に優しく臭気も少ないため、住宅密集地や学校、病院などの施工現場で重宝される傾向があります。吸い込みのある下地には、水性アクリル系や水性エポキシ系がよく使用されます。乾燥時間も比較的短く、作業効率を高めることができます。

 

一方、油性シーラーは密着性が非常に高く、特に古いサイディングや粉化したモルタル面など、下地が劣化している箇所に対しては高い効果を発揮します。油性の中でも溶剤系エポキシシーラーは、高密着・高耐久の特性を持ち、塗膜の剥離を防止する力に優れています。ただし、溶剤の臭いが強く、周囲への配慮が必要となります。

 

シーラーの選定には、下地の状態を丁寧に診断することが欠かせません。モルタルのように吸水性の高い素材には、浸透力のあるタイプが適しており、劣化の激しい外壁には補強効果のある高機能シーラーが望ましいです。サイディングボードの場合は、表面が比較的滑らかで吸収性が少ないため、表面にしっかりと密着するタイプのシーラーが選ばれます。

 

また、シーラーは透明と白色に分けられ、用途に応じた使い分けが必要です。透明タイプは既存の外壁の色調や模様を活かすことが可能で、上塗りとの色のバランスを考えた施工に向いています。対して白色タイプは、下地の色を隠す目的で使用され、特に明るい色の上塗りを行う際に効果を発揮します。

 

加えて、乾燥時間の管理も品質を左右します。一般的には水性シーラーであれば1~2時間程度、油性シーラーでは4時間以上の乾燥時間を要するケースが多く、天候や湿度によっても差が出るため、しっかりとした管理が求められます。特に気温が低い冬場では乾燥が遅れがちであり、塗装間隔に注意が必要です。

 

近年では、密着力と作業性を兼ね備えたハイブリッドシーラーも登場しており、多様化する外壁素材への対応力が強化されています。製品の選定にあたっては、メーカーのカタログ情報や技術資料を確認し、現場条件に最も適したスペックのものを選ぶことが推奨されます。

 

適切なシーラーの使用は、下塗り後の中塗り・上塗りの仕上がりに大きく影響します。吸い込みムラや塗膜の剥がれ、色ムラの原因を未然に防ぎ、長期的な耐久性と美観の保持に寄与するため、専門業者のアドバイスを活用しながら、最適な製品と使用方法を見極めることが重要です。

 

フィラーの特徴と効果的な使いどころ

フィラーは外壁塗装において、下地の凹凸をならしたり、微細なひび割れ(クラック)を埋めたりするために用いられる下塗り材です。モルタル外壁に特に適しており、外壁の表面状態を整え、上塗り塗料の性能を十分に発揮させるために重要な役割を果たします。塗装の工程で「シーラー」と混同されることもありますが、両者の機能は異なります。シーラーが塗料の密着力を高めるのに対して、フィラーは下地の形成・調整に特化した材料です。

 

フィラーには主に「微弾性フィラー」「厚付けフィラー」「弾性フィラー」といった種類が存在し、それぞれ適した用途があります。微弾性フィラーは、弾力性に優れており、モルタルやALCなどで発生しやすい微細なクラックへの追従性が高い点が特徴です。特に日本のような四季の変化が大きい地域では、外壁の収縮や膨張によってクラックが発生しやすいため、柔軟性のある塗膜を形成する微弾性フィラーが重宝されます。

 

厚付けフィラーは、凹凸が目立つ外壁の表面を平滑にするために用いられます。既存の外壁材が劣化していたり、補修跡が残っていたりする場合に、厚めに塗布することで美観を整えます。このようなフィラーはローラーだけでなくコテを使って施工されるケースもあり、職人の技術が仕上がりに大きく影響します。厚付けフィラーは乾燥にも時間がかかるため、工程管理を慎重に行う必要があります。

 

一方、弾性フィラーはより強い柔軟性を持ち、構造クラックや動きのある接合部の補修に適しています。モルタル系の外壁に多く見られる構造的な動きにも対応し、塗膜の割れや剥がれを防止します。弾性フィラーは仕上げ塗料との相性が重要であり、透湿性のある上塗り材を選ぶことで、内部結露や膨れのリスクを回避できます。

 

フィラーの選定にあたっては、使用する外壁材とその状態、施工後に求められる機能(美観、耐久性、防水性など)を総合的に判断することが不可欠です。例えば、劣化が進んだモルタル壁には厚付けフィラーと微弾性フィラーを併用することで、クラック補修と下地調整の両方を同時に実現できます。

 

また、フィラーの施工には専門的な技術が求められるため、塗布量や乾燥時間を守らないと、上塗りの密着不良や塗膜剥離などの不具合につながる可能性があります。特に乾燥時間は、気温や湿度に大きく影響されるため、施工マニュアルに準拠したスケジュール管理が重要です。

 

近年では、「サーフ」と呼ばれる中塗り兼用のフィラーも登場しており、施工の簡略化と均一な仕上がりを実現する製品として注目されています。サーフは一般的なフィラーよりも作業性が高く、住宅塗装の現場で多く採用されています。

 

フィラーは見た目には地味な工程ですが、塗装の仕上がりと耐久性に直結する要となる工程です。適切な製品選びと正確な施工を行うことで、塗装後の美観や長期的な保護性能を確保することができます。信頼できる施工業者に相談しながら、外壁の状態に応じた最適なフィラーを使用することが、高品質な塗装工事には欠かせません。

 

まとめ

外壁塗装における下塗りは、塗装全体の仕上がりと耐久性を大きく左右する重要な工程です。サイディングやモルタル、金属といった素材ごとに異なる特性に合わせて、適切な下塗り材を選ぶことが、ひび割れや剥がれ、色ムラといった施工不良を防ぐカギとなります。

 

たとえばモルタルには下地調整やクラック補修に優れたフィラー、サイディングには吸い込みを防ぐシーラー、金属外壁には密着性を高めるプライマーが最適です。これらを正しく使い分けることで、下地と上塗り塗料との密着力が飛躍的に向上し、塗膜の性能を長期間維持することができます。

 

実際に、日本ペイントやアサヒペンといった各社からは素材別に特化した高性能な下塗り材が多数販売されており、塗装業者の現場でも広く採用されています。中でもミッチャクロンのようなプライマーは、特に金属系外壁への密着に優れた効果を発揮しています。

 

下塗りの工程を省いたことで、わずか数年で塗膜が劣化し再塗装となった事例もあり、工事費用が二重に発生するケースも見られます。費用対効果を最大限に高めるには、施工前の下地確認と、素材に適した塗料の選定が欠かせません。

 

本記事で紹介した内容を参考に、外壁塗装における下塗りの重要性を理解し、信頼できる施工業者とともに、後悔のない塗装計画を立ててください。放置すれば数十万円単位の無駄につながるリスクもあるため、今が最善の見直しタイミングといえるでしょう。

 

外壁塗装なら有限会社朝日塗工

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よくある質問

Q. 下塗りを省略しても問題はありませんか?
A. 下塗りを省略すると、塗料の密着性が著しく低下し、早期に剥がれやひび割れ、色ムラが発生する可能性があります。特にモルタルやサイディングといった素材では、塗料の吸い込みが激しいため、下塗りによる吸収抑制が重要です。また、上塗りの色や質感が安定しないことから、美観を損ねる原因にもなります。外壁塗装において下塗りは、塗装の品質と長寿命を支える基本工程として欠かせない存在です。

 

Q. 下塗りと中塗り・上塗りの違いはどこにありますか?
A. 下塗りは、塗装面と塗料の密着を高める役割を果たし、上塗りが剥がれたり浮いたりするのを防ぐ基盤となる工程です。一方、中塗りと上塗りは、美観の形成や紫外線・雨風からの保護を担う仕上げの層です。中塗りは上塗りの補強や色ムラ防止に、上塗りは最終的な色合いや質感を決定する役割があります。この3工程が揃うことで、均一で美しい仕上がりと、長期にわたる塗膜の耐久性が実現されます。省略や不十分な施工は、仕上がりや機能に大きな影響を及ぼします。

 

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