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外壁塗装後に膜厚を管理する方法と家庭で厚みを確認するコツについて

外壁塗装を検討するとき、「膜厚って何?」と戸惑ったことはありませんか。厚みが均一でない塗膜は、見た目にムラが出るだけでなく、耐久性や劣化スピードにも影響を与えます。特に外壁や屋根の塗装では、塗料を何回塗り重ねたか、中塗りや上塗りがしっかり行われたかが、仕上がりの質を左右します。

 

専門業者に任せたはずなのに、塗布量が足りない、あるいは逆に過剰に塗られていたことで、雨水が侵入したり、早期に塗膜が割れたりするケースもあります。こうした施工の違いは、完成直後には気づきにくいため、膜厚の測定方法を知っておくことが、建物の長期的な保護に直結します。

 

膜厚計などの測定器を使えば、家庭でも塗装の品質をチェックできます。しかも専門的な知識がなくても使い方は簡単で、目安のミリ数や塗装工程に応じた基準も明示されています。メーカーによって製品仕様は異なるものの、基本的な管理の考え方は共通しており、測定結果をもとに補修やメンテナンスのタイミングを判断するのに役立ちます。

 

放置すれば、外壁全体の劣化が進み、再塗装だけで済まないケースになることも。厚みを意識することで、施工の信頼性を高め、費用の無駄や追加工事のリスクを避けられます。これから紹介する方法を知れば、塗装の仕上がりが目に見えて変わるはずです。

外壁塗装なら有限会社朝日塗工

有限会社朝日塗工は、外壁塗装を専門とする会社です。お客様のニーズに合わせた最適な塗装プランをご提案し、高品質な仕上がりをご提供します。長年の経験と技術を活かし、耐久性と美観を兼ね備えた塗装を実現します。また、施工後のアフターサービスも充実しており、お客様の満足度を第一に考えています。外壁塗装をお考えの際は、ぜひ有限会社朝日塗工にご相談ください。信頼と実績のある私たちが、丁寧に対応いたします。

有限会社朝日塗工
有限会社朝日塗工
住所〒277-0884千葉県柏市みどり台2丁目21−59
電話04-7140-8285

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外壁塗装に必要な膜厚の意味と理由

建物を守る塗膜の働き

外壁塗装における膜厚は、単なる「見た目の塗り具合」を超えた重要な機能を持っています。建物の美観を整えるだけでなく、外部からのさまざまなダメージから構造体を守る役割を担っているのです。膜厚とは、塗装された塗膜の厚みのことで、適切な厚さで施工されることにより、耐久性と保護性能が発揮されます。

 

まず注目したいのは、雨風や紫外線に対する防御機能です。外壁は常に自然環境にさらされています。膜厚が十分であれば、雨水の浸透を防ぎ、外壁材の腐食や劣化を抑える効果があります。下地に吸水しやすい素材が使われている場合には、塗膜による防水層が必須となります。

 

紫外線への耐性も重要です。膜厚が薄すぎると、紫外線により塗料の樹脂が劣化し、ひび割れや変色が早期に生じる可能性があります。耐候性のある塗料を使っていても、所定の膜厚が確保されなければその性能は発揮されません。逆に厚すぎても塗膜の硬化不良や剥離などのトラブルが起こる可能性があるため、適正な厚みが重要となります。

 

外壁の耐久性にも膜厚は密接に関係します。塗膜は塗料の種類によって、弾性や硬度、密着性が異なりますが、いずれも所定の厚みにより最大限の保護力を発揮します。微弾性フィラーを使った下塗りでは、ひび割れ追従性と防水性が求められるため、厚みの精度が仕上がりを左右します。

 

均一な塗布も欠かせません。ローラーや吹き付けで塗装した際に、部分的に厚くなったり薄くなったりすると、全体としての防水性や耐候性にムラが生じてしまいます。この均一性を測るために使われるのが膜厚計です。膜厚計を用いることで、乾燥後の塗膜の厚さを正確に確認し、品質管理の基準に照らし合わせることができます。

 

以下は、塗膜の働きと膜厚の関係を整理した内容です。

 

塗膜の機能 膜厚の影響
防水性の確保 厚みが薄いと雨水の侵入リスクが増す
紫外線に対する耐候性 薄いと劣化が早まり、厚すぎると剥がれの原因に
外壁材の保護 適切な厚みで下地の劣化を抑制
耐久性の維持 均一な膜厚で寿命が大きく変化
ひび割れの追従 弾性塗料では厚みが追従性に直結

 

膜厚の確保は、目に見えるデザイン性以上に建物そのものの寿命や安全性に直結する要素です。そのため、施工に際しては単に「厚く塗れば良い」という考えではなく、塗料の仕様や下地の状態、環境条件を踏まえて最適な厚さを選び、それを正確に施工する技術が求められます。

 

こうした理解を持つことで、施工後の不具合や再施工のリスクを抑え、外壁のメンテナンスを長期的に成功させるための土台が整うのです。

 

塗料によって違う厚みの考え方

外壁塗装において使用される塗料には多種多様な種類があり、それぞれに適した膜厚が存在します。この違いは塗料の成分や性質に基づくもので、見た目が似ている塗料であっても、求められる塗布量や厚みが大きく異なる場合があります。したがって、塗料選定と膜厚管理は密接に連携させる必要があります。

 

塗料の種類としては、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機塗料などがあります。シリコン塗料はバランスのとれた性能で広く用いられますが、メーカーごとに定められた標準膜厚は微妙に異なります。これに対して、フッ素塗料や無機塗料などは耐久性が高い分、施工時に要求される膜厚も明確に設定されている場合が多く、塗布時の注意がより必要となります。

 

塗料ごとに想定されている膜厚は、施工の仕方にも影響します。ローラーでの手塗り、エアレススプレーによる吹き付け、または刷毛での塗布など、工法により塗布量の調整が必要です。手塗りの場合は塗布量が少なくなりがちで、基準に満たないこともあるため、適正な回数での重ね塗りが必須になります。

 

ここで重要なのが、塗料ごとに設定されている「標準膜厚」と、実際の「仕上がり膜厚」との差異です。塗料メーカーでは、乾燥膜厚としてμm単位での数値が指定されており、施工者はこれを基準に作業を進める必要があります。

 

以下に、塗料の種類別における標準的な膜厚や特徴を示します。

 

塗料の種類 標準膜厚の目安(μm) 主な特徴
アクリル系 約20~30 安価だが耐久性は低め
ウレタン系 約30~40 柔軟性があり曲面にも適応しやすい
シリコン系 約40~50 耐久性と価格のバランスが良い
フッ素系 約50~60 高耐候性で長期間の保護が可能
無機塗料 約60以上 非有機性で耐久性・防汚性に優れる

 

塗料ごとの膜厚の違いは、塗布量の計算にも直結します。施工前には、塗布面積や下地の吸い込み状態を把握し、所定の膜厚を得られるよう塗料の量を調整します。膜厚が不足すれば性能が発揮されず、逆に厚すぎればひび割れや剥がれの原因となるため、現場では「膜厚測定器」などを使った定量的な管理が必要不可欠です。

 

温度や湿度といった施工環境も膜厚形成に影響を与えます。乾燥時間が早まる高温時には、塗料が均一に広がりづらくなり膜厚が不均一になることがあります。そのため、施工時期や天候も膜厚を左右する要素として考慮する必要があります。

 

塗料の性能を最大限に発揮させるためには、種類ごとの特性を把握し、それに応じた厚みを適切に確保することが求められます。目安としての数値に頼りすぎず、現場の状況や施工法に応じて柔軟に判断することが、長持ちする塗装に繋がります。

 

塗装時に気をつけたい膜厚の計算と塗布量

塗布量と厚さの関係について

塗装の品質を安定させるためには、膜厚と塗布量の関係を正しく理解しておくことが非常に大切です。外壁塗装においては、ただ単に塗る量を増やせば良いというわけではなく、塗料の性質や乾燥後の収縮を踏まえたうえで、適正な厚みを確保する必要があります。特に外壁や屋根など、長期間にわたって風雨や紫外線の影響を受ける部分においては、膜厚が十分でなければ塗膜が早期に劣化してしまい、補修や再施工が必要になる可能性が高まります。

 

塗装の膜厚は、一般的に乾燥後の厚みで判断されます。そのため、塗装時に使用する塗料の比重や成分に応じて、塗布量を計算しなければなりません。厚みの目安としては、下塗り、中塗り、上塗りの三層構成が基本とされており、それぞれが目的に応じた厚さを持つ必要があります。塗布量が不足すれば、均一な仕上がりにならず、塗膜の耐久性にも影響が及びます。

 

下記の表に、一般的な塗装工程における塗布量と乾燥後の膜厚の関係を整理しました。これは、メーカーの仕様や塗料の種類によって若干の差はありますが、おおよその参考値として活用できます。

 

塗装工程 塗布量(kg/㎡) 乾燥後の膜厚(μm) 主な目的
下塗り 約0.15 約40〜60 下地との密着性確保
中塗り 約0.20 約60〜80 塗膜の厚みと強度を補強
上塗り 約0.20 約60〜80 紫外線や雨への耐性・美観維持

 

塗装現場では、ローラーやスプレーなど使用する道具によっても塗布量が変化することがあります。ローラーは比較的均一に塗布しやすいものの、凹凸のある壁面では塗料の吸い込み量が増えるため、膜厚が不足するケースも考えられます。スプレー方式は広範囲を効率よく施工できますが、飛散による塗布量のロスが発生しやすく、経験に基づいた調整が不可欠です。

 

計算式を用いた塗布量と膜厚の関係を理解しておくと、施工管理がスムーズになります。「塗料の固形分(%)×使用量÷比重=膜厚(μm)」という形でおおよその膜厚が算出可能です。塗装膜厚の管理には、膜厚計などの測定器を使う方法もあり、乾燥後にどの程度の厚みが実現されているかを数値で確認できる点も信頼性を高めるポイントとなります。

 

膜厚と塗布量の関係を正確に把握することは、コスト面でも無駄を減らす効果があります。塗料を過剰に使用すれば施工費用は膨らみますし、逆に少なすぎれば再施工という余計な手間が発生することになりかねません。したがって、塗装現場では、見積もり時点から塗布面積や塗布量を細かく算出し、適切な管理のもとで施工を行うことが求められます。

 

一般住宅における適正な塗布面積と厚さ

外壁塗装において、住宅の規模や形状に応じた塗布面積の把握は非常に重要です。建物の外壁全体に対してどれくらいの塗料を使用すべきか、またその結果としてどの程度の膜厚が得られるのかを知っておくことで、施工後のトラブル回避や品質確保に役立ちます。一般的な住宅では、延床面積に対して1.2〜1.5倍程度が塗装面積とされることが多く、これに応じて塗布量が調整されます。

 

仮に、外壁面積が150㎡とした場合、三回塗りを標準とすると、それぞれの工程で必要な塗料量が変わってきます。下塗り、中塗り、上塗りの各工程で膜厚を確保するためには、塗料の性質や希釈率、塗装方法などに応じた細かな設定が求められます。以下に、住宅の塗布面積に応じた膜厚と塗布量のイメージを整理しました。

 

外壁面積(㎡) 塗布量目安(kg) 合計膜厚目安(μm) 備考
100 約55〜60 約160〜200 下塗りから上塗りまで3回施工
150 約85〜90 約160〜200 標準的な戸建住宅の規模
200 約110〜120 約160〜200 外壁が広い場合

 

こうした数値はあくまでも目安であり、実際には外壁材の種類や下地の状態、周辺環境などによって塗布面積や必要量は変動します。サイディングやモルタル、ALCなど、それぞれの素材に合わせた施工方法を取る必要があり、塗料の吸い込み具合も考慮しなければなりません。

 

適正な膜厚を確保するには、施工前の下地処理も非常に重要です。高圧洗浄で汚れや劣化部分を取り除き、クラックや穴があれば補修を施すことで、塗料の定着が安定し、膜厚も均一に仕上がります。こうした前処理を怠ると、せっかく適量の塗料を使用しても、塗膜が剥がれやすくなったり、ムラが出る原因になります。

 

塗装の厚さは乾燥後に計測されるため、施工時にはある程度の塗布量の余裕を見ておくことが推奨されます。特に外気温や湿度の影響を受けやすい季節には、乾燥時間や膜厚の変化にも注意が必要です。冬場は乾燥が遅れることで垂れやすくなり、膜厚が不均一になるリスクがあります。

 

厚塗りしすぎると乾燥不良を起こし、ひび割れや剥離につながることもあります。このため、仕様書や施工マニュアルに記載された標準膜厚を参考にしつつ、膜厚計などを用いた定期的な測定を取り入れることが、施工精度を高めるポイントになります。

 

施工現場では、職人の技術や経験も重要な要素です。ローラー塗装とスプレー塗装では膜厚の仕上がりが異なり、均一性にも差が出るため、塗料の種類に応じた適切な施工手法を選ぶ必要があります。壁面の凹凸やサッシ周辺の細かい部分にも注意を払いながら、全体の仕上がりを意識した塗布が求められます。

 

住宅ごとに異なる条件に合わせた膜厚と塗布面積のバランスを見極めることで、外壁塗装の長寿命化や美観維持が可能となります。そのためにも、数値データと実際の施工経験を活用し、理論と実践の両面から品質を高める取り組みが重要です。

 

外壁塗装で膜厚が不足してしまう原因とは

塗り回数が少ない場合の影響

外壁塗装において、塗り回数は塗膜の厚さを確保するために重要な工程です。通常、下塗り・中塗り・上塗りの3工程を経て、一定の膜厚が形成されます。しかし、コスト削減や工期短縮を理由に中塗りを省略したり、下塗りを極端に薄くしたりすると、必要な厚みに到達しません。このような状態は建物全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

塗膜が薄い場合、紫外線や雨水の浸入を防ぐ力が弱まります。外壁の表面が早期に劣化することで、塗装本来の防水・防錆効果が得られなくなり、結果として建物内部にまで影響を与える恐れがあります。劣化した塗膜の上に新たな塗料を重ねても、下地の不安定さが影響し、塗装の寿命が大きく短くなることがあります。

 

膜厚の不足は見た目にも差が出ます。塗り重ねの少ない塗装は色ムラや艶不足が生じやすく、外観の美しさを保つことが難しくなります。外壁塗装は単なる色付けではなく、建物を守るための保護膜としての役割も持つため、規定された塗り回数を守ることは大前提です。

 

さらに問題となるのは、仕上がり直後には見分けがつきにくいという点です。一見きれいに見えても、塗膜が十分に形成されていない状態は、数年後にトラブルとして現れることが多く、再塗装や補修など予期せぬ費用の発生につながります。このようなトラブルを防ぐには、施工前に塗装の工程表を確認し、きちんとした塗り回数が明記されているかをチェックすることが大切です。

 

目視では判断できない膜厚不足を見抜くには、専門の膜厚計を用いた測定が有効です。特に外壁塗装においては、仕様に基づく標準膜厚が決まっており、それを下回る場合は塗装不良とみなされます。膜厚測定は第三者機関や施工会社によって実施される場合もあり、これを契約時に明示することで安心感につながります。

 

以下に、塗り回数による仕上がりの違いや膜厚の目安を示します。

 

塗り回数 工程内容 膜厚の目安(μm) 備考
1回 上塗りのみ 約20〜30 色乗りが不十分で保護性能も低い
2回 中塗り+上塗り 約40〜60 保護性能はあるが、下地の影響を受けやすい
3回 下・中・上塗り 約70〜100 耐久性・均一性・仕上がりともに安定

 

職人の塗装技術や施工管理の違い

外壁塗装は材料の質だけでなく、作業を行う職人の技術と管理体制によっても大きく仕上がりが左右されます。特に膜厚に関しては、ローラーの動かし方や塗布速度、塗料の希釈率、乾燥時間の確保など、細かな手作業の積み重ねが最終的な塗膜の厚みに影響します。

 

膜厚が均一でない原因のひとつに、塗り方のバラつきがあります。熟練した職人は、どの部位にどれだけの塗料をどの速度で塗ればよいかを把握していますが、経験が浅い作業員では塗布ムラが生じやすくなります。その結果、一部では十分な厚みが確保できず、他の箇所と耐久性に差が出てしまうことがあります。

 

施工管理者の目が行き届いていない現場では、施工中に不適切な希釈や乾燥不足が見逃されることもあります。雨が降りそうな日の作業を強行したり、気温の低い日に乾燥時間を短縮して次の工程に進むなどの判断ミスは、塗膜の耐久性に直接関わる重大な問題です。信頼できる業者は、施工中に何度も膜厚計でチェックを行い、仕様通りの塗布がなされているかを確認しています。

 

塗料ごとに適正な膜厚が定められており、それを守らないと本来の性能が発揮されません。たとえば遮熱塗料や弾性塗料は、特に厚さにシビアであり、薄塗りでは効果が半減してしまいます。したがって、塗料メーカーの仕様書を守り、適切な塗布を管理することが不可欠です。

 

管理体制の整った施工会社では、塗装職人だけでなく、現場監督や営業担当がチームとして動きます。作業前後の写真を残したり、報告書を提出するなどの体制があれば、消費者としても安心できます。施工完了後に「どれくらいの膜厚が確保されたか」を示す記録があれば、トラブルの防止や長期的なメンテナンス計画にも役立ちます。

 

以下は、職人の施工技術や管理体制によって発生しやすい膜厚不足の要因を整理した表です。

 

要因 内容 起こりやすい結果
ローラー技術不足 均一な塗布ができず塗膜の厚さにムラが生じる 一部で早期の劣化が発生
希釈率の誤り 水や溶剤での希釈が多すぎて塗膜が極端に薄くなる 保護機能が低下し劣化の進行が早まる
乾燥工程の不徹底 適切な乾燥時間をとらずに次の工程に進んでしまう 層間剥離や密着不良の原因になる
使用塗料と仕様書の不一致 塗料の種類と使用方法が合っておらず膜厚が適正にならない 本来の性能(防水・遮熱など)が発揮されない
施工管理の甘さ 管理者が現場を巡回せず作業者任せになっている 全体的な品質低下、トラブルの元になる

 

厚くなりすぎた場合の塗膜の変化と注意点

ひび割れや剥がれにつながる厚塗りのリスク

外壁塗装において、塗膜の厚みは建物の保護性能を左右する重要な要素です。一般には「厚めに塗った方が長持ちする」という印象を持たれがちですが、実際には過度な厚塗りが思わぬ劣化や不具合を引き起こす可能性があるため注意が必要です。適正な膜厚は塗料メーカーが推奨する基準に基づいて設計されており、それを無視した厚塗りは逆に塗膜の性能を損ねることがあります。

 

厚塗りによって起こりやすいのが「乾燥不良」です。塗料は、規定された厚みの中で均等に乾燥することで、本来の硬化性能と密着性を発揮します。塗膜が厚すぎると、表面だけが先に乾き、内側に水分や溶剤が残留しやすくなります。その結果として、内部の乾燥が不十分なまま塗膜の硬化が進行し、時間が経ってから気泡や剥がれ、浮き上がりなどの不具合が現れるケースが見られます。

 

次に注意したいのが「塗膜のひび割れ」です。塗料には乾燥収縮という性質があり、厚みが増すほどその収縮力も強くなります。適正な膜厚であれば、収縮の動きも制御されやすく問題になりにくいのですが、厚塗りによって塗膜が過剰に引っ張られると、表面のひび割れやクラックにつながります。特に気温や湿度の変化が大きい外壁環境では、このような物理的ストレスに弱くなるため、見た目の美観を損ねるだけでなく、下地まで劣化が進むリスクが高まります。

 

外壁塗装の機能面でも影響が出てきます。厚塗りにより、塗膜が過剰に硬化してしまうと、外壁の動きに追従できなくなります。本来、塗膜は建物の動きや振動に適度に追随して亀裂を防止する役割を果たしますが、硬化しすぎた塗膜は柔軟性が失われ、微細な動きにも対応できず割れてしまう可能性があります。

 

以下に、厚塗りによる代表的なトラブルの特徴と原因、発生時期などを整理します。

 

発生現象 主な原因 発生しやすい時期 性能への影響
塗膜のひび割れ 乾燥収縮による内部応力 施工後1か月〜3か月 美観低下・防水性能低下
塗膜の剥がれ 内部乾燥不良による密着力の低下 施工後数か月〜1年 防水性喪失・再塗装必要
気泡の発生 湿気や溶剤の内包 施工直後〜数週間以内 塗膜破壊・耐久性低下
膨れや浮き 下地との密着不良 施工後数週間〜数か月 塗装面剥離・外壁損傷
耐候性の劣化 塗膜の柔軟性喪失 長期使用時 紫外線・雨風への耐性低下

 

均一に仕上がらない塗装面の特徴

塗装面が均一でない場合、外観の品質はもちろんのこと、機能面でもさまざまな問題が生じます。特に外壁塗装では、塗膜の厚さにばらつきがあることで色ムラや光沢の不均一、さらには耐久性の差が目立ってきます。均一な膜厚を確保することは、単なる見た目の問題にとどまらず、建物全体の保護性能を維持するためにも極めて重要です。

 

膜厚が不均一になる原因には、いくつかの施工要因が関係しています。最も多いのは、職人の塗布技術の差によるものです。塗装作業では、ローラーや刷毛、スプレーなどの道具を使い分けながら施工面に塗料を塗布しますが、手の動きやスピード、塗料の含み具合に差があると、部分的に膜厚が薄くなったり、逆に厚くなりすぎたりする箇所が生まれます。

 

下地の状態や凹凸の有無も膜厚のばらつきを引き起こす要因です。補修後のパテ跡や外壁の微細なひび割れなどがある場合、塗料が吸収されやすくなったり、流れ落ちやすくなったりするため、均一な仕上がりを妨げます。こうした下地調整が不十分なまま塗装作業に入ると、塗膜の厚みに差が出ることは避けられません。

 

塗料の希釈率や撹拌不足も膜厚の差を生む原因となります。塗料は、施工時の気温や湿度に応じて適切に希釈する必要がありますが、希釈が過度であれば塗膜が薄くなり、逆に希釈不足であればムラになりやすくなります。撹拌が不十分な塗料では成分が均等に分散されず、色ムラや成膜性のバラつきが出てしまいます。

 

以下に、均一に仕上がらない塗装面に見られる代表的な特徴と、その要因、具体的な影響を整理しています。

 

見られる現象 主な原因 建物への影響 判別のしやすさ
色ムラ 塗布量の不均一、希釈率の差 美観の低下 光の当たり方で分かる
光沢のバラつき 塗膜の厚みの差、撹拌不足 施工品質への不信感 日差しで目立つ
表面の波打ち ローラー操作不良、塗料粘度の差 雨水や汚れが溜まりやすくなる 近くで見ると明確
局所的な薄膜 塗料不足、塗り回数の省略 防水性や耐久性の低下 時間とともに劣化
不自然な厚塗り部位 下地の凹凸、塗布ミス ひび割れ・剥離の原因 肉眼で厚みを感じる

 

家庭でできる膜厚の確認方法と管理の基本

専用の測定器とその使い方

膜厚とは、塗料が乾燥して形成される塗膜の厚みを意味し、単位としてはミリメートルまたはマイクロメートルが使われます。外壁塗装では一般的に80〜150マイクロメートル(μm)程度が目安とされており、この範囲内に収まっているかどうかを確認することが重要です。

 

家庭で使用される膜厚計には、磁気式・渦電流式などの非破壊型があり、対象物の材質に応じて選ぶ必要があります。金属下地には磁気式が適し、非金属下地(モルタル・コンクリート)には使用できません。選定ミスは誤測定につながるため、取扱説明書やメーカー情報を事前に確認することが推奨されます。

 

以下の表は、家庭用として推奨される膜厚計の特徴をまとめたものです。

 

製品名 測定方式 対応素材 価格帯 特徴
A社 簡易型膜厚計 磁気式 鉄・鋼材 中程度 初心者向け、簡単操作
B社 プロ仕様モデル 渦電流式 非磁性金属 高価格 デジタル表示、高精度
C社 汎用タイプ 複合式 複数素材 高価格 自動判別機能付き

 

測定方法は極めてシンプルで、測定器を対象面に垂直に当てて読み取るだけです。ただし、塗装面に凹凸があると数値がばらつくため、複数箇所を測定して平均を取るのが基本となります。

 

測定結果が基準膜厚を下回る場合は、施工ミスや塗布量の不足が疑われます。逆に厚すぎる場合は、ひび割れや剥離のリスクが高まるため注意が必要です。膜厚の基準値は下塗り・中塗り・上塗りの各工程で異なるため、各工程ごとのチェックが推奨されます。

 

家庭で測定する際には、以下の3点に特に注意してください。

 

  1. 測定対象の素材に合った膜厚計を選ぶこと
  2. 複数箇所で測定し、数値のばらつきを確認すること
  3. 測定後の数値を施工報告書と照合し、差異を把握すること

 

塗装後の確認ポイント

膜厚の管理には専用の測定器を用いる方法が一般的ですが、機器を使わずに目視や手触りで判断する方法もあります。これはとくに機器の導入が難しい家庭において有効で、施工直後の仕上がりや数年後の劣化状況を見極めるための重要な手段となります。

 

塗装直後にチェックすべきポイントは、大きく分けて以下の3点です。

 

  1. 見た目の均一性
  2. 触った際の質感と厚み感
  3. 表面の光沢と色ムラの有無

 

膜厚が適正に確保されている外壁は、全体的に塗りムラがなく、光沢感が均一で、指先で触れても滑らかです。逆に、塗布量が不足している場合は、ざらつきやマダラな部分が現れやすく、触感も薄く感じる傾向があります。

 

以下は、家庭でも判断しやすい外観チェックポイントの比較です。

 

チェック項目 適正な状態 膜厚不足の兆候 膜厚過多の兆候
光沢 均一で落ち着いた 部分的にムラがある 不自然なツヤ
触感 滑らかで均質 ザラザラ感がある ブヨブヨした印象
色味 均一で鮮やか 薄く感じる部分がある 色が濃すぎて沈んだ印象
ひび割れ なし 表面に細かい線 厚塗りで膨張し亀裂が入ることがある

 

触感や視覚的な確認だけでも、一定の膜厚の目安を知ることができます。乾燥後に起きる微細なクラック(ひび割れ)は厚塗りの兆候であり、逆に下地が透けて見えるようであれば、膜厚が足りないと判断できます。

 

確認のタイミングも重要です。塗装後1週間程度で表面が完全に乾燥した後、落ち着いた状態で確認することで、見た目や触感が安定し、正確な判断がしやすくなります。気温や湿度にも影響を受けるため、乾燥工程が遅れた場合は2週間程度の経過観察を行うとよいでしょう。

 

もし異常が見つかった場合は、施工業者に報告し、保証期間内での補修対象となるか確認することが望まれます。膜厚の均一性と十分な厚みは、外壁塗装の耐久性に直結するため、早めの判断が長期的なメンテナンスコストの抑制につながります。

 

日常的な観察と定期的なチェックを行うことで、家庭でも塗装の品質をある程度維持・把握することが可能です。専門的な測定に頼らずとも、日々の注意が膜厚管理に大きな効果をもたらすのです。

 

まとめ

塗装の品質を左右する要素のひとつに、塗膜の厚みがあります。外壁塗装における膜厚は、単に見た目だけでなく、耐久性や劣化の進行速度にも深く関わっています。適切な厚みが確保されていない場合、塗料の効果が発揮されず、早期に再塗装が必要になることもあります。逆に厚すぎる塗膜は、ひび割れや剥がれの原因となり、見た目や構造的なリスクにつながります。

 

家庭でできる膜厚の確認方法を知っておくことは、施工された塗装の状態を自分でチェックし、安心につなげるうえで非常に有効です。専用の膜厚計を用いれば、外壁や屋根の塗膜の厚みを数値で把握でき、過不足のない仕上がりかどうかを確認できます。塗装面を目視で確認したり、指で軽く触れたりすることでも、均一に塗装されているかの目安になります。

 

膜厚のばらつきは、下塗りから上塗りまでの塗布工程で生じることがあります。塗布量の調整が不十分なまま仕上げてしまうと、塗膜の厚みが場所によって異なり、耐久性に差が出ます。屋根や外壁など、環境によって受ける影響が異なる部分では、使用する塗料の種類や乾燥時間にも注意が必要です。

 

均一で適正な膜厚を確保することは、長期的な建物の保護や見た目の美しさの維持に欠かせません。施工後も定期的に塗装状態を点検し、必要に応じてメンテナンスを行うことで、無駄な出費や劣化によるトラブルを避けることができます。専門家に依頼する際も、膜厚についての基本知識を持っていると、安心して依頼できる判断力が養われるでしょう。

外壁塗装なら有限会社朝日塗工

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よくある質問

Q. 外壁塗装で塗膜の厚みが薄すぎると、どれくらい早く劣化するのでしょうか
A. 膜厚が不足した状態の塗膜は、塗装本来の耐久性を発揮できず、雨風や紫外線による劣化が早まります。特に塗料の種類に対して必要な厚みが確保されていないと、防水性が低下し、外壁内部まで影響することがあります。厚みが標準より薄い場合、早期の再塗装が必要になり、結果的に維持費用が増える可能性も高くなります。

 

Q. 外壁塗装で使う塗料ごとに膜厚の基準は違うのですか
A. 塗料によって推奨される塗布量や仕上がり膜厚は異なります。例えばシリコン系やフッ素系など、塗料の種類ごとに厚みに対する最適値がメーカーから示されています。一般的に下塗り、中塗り、上塗りを合わせて三回塗ることで規定の膜厚を確保しますが、それぞれの層で必要な厚みは塗料の性質に応じて異なり、耐久性や仕上がりにも影響します。

 

Q. 膜厚の測定にはどのような機器が必要で、素人でも扱えるのでしょうか
A. 家庭用でも扱いやすい膜厚計が市販されています。金属素地用の磁気式や、非金属用の超音波式が主流で、測定対象の外壁素材に応じて選ぶ必要があります。測定器は塗装面に軽く当てるだけで数値が表示され、外壁塗装の厚みが均一に仕上がっているかを家庭でもチェックできます。測定結果がメーカー推奨値と合致しているか確認することで、施工品質への不安を軽減できます。

 

Q. 外壁塗装の見積書には膜厚の記載があるものなのでしょうか
A. 信頼性の高い施工業者の見積書には、下塗りから上塗りまでの塗布量や仕上がり膜厚、塗装回数などが詳細に記載されています。特に適正な塗布面積に対してどれだけの塗料が使用されるかが明記されていると、厚みの管理に対する意識が高いと判断できます。施工報告書でも膜厚や測定結果に言及がある場合は、管理体制がしっかりしている業者として信頼性が高まります。

 

会社概要

会社名・・・有限会社朝日塗工

所在地・・・〒277-0884 千葉県柏市みどり台2丁目21−59

電話番号・・・04-7140-8285