外壁塗装の選び方
外壁塗装の業者をどのように選べばいいか分からない方は、たくさんいらっしゃると思います。
家族の大切な家を任せるなら、悪質な業者ではなく優良な業者にお願いしたいのは皆様一緒だと思います。相場より高い業者や、欠陥工事をするような業者に依頼する事無く、しっかりとした外壁塗装をお願いする為には優良な業者に依頼が出来るようになるある程度の知識が必要になります。
外壁塗装は、特別な申請や許可がなくても開業できるため、不動産に係る幅広いリフォーム業者が参入しており、ハウスメーカーなども含めれば膨大な数の業者が存在しています。
この記事では、そのような膨大な業者から優良な業者を選ぶためのポイントなどを紹介し、読んで頂いた方が悪徳業者に依頼をしてしまわないよう手助けになれば良いと考えています。
いまいちどの業者がいいか分からない方や、今複数社で見積をとって検討している方は、ぜひこちらの記事を参考にされて下さい。
1.塗装業者選びのチェックポイント
①相見積もりを取る
業者選びで一番重要ともいえる項目はこの「相見積もりを取る」です。適正な価格を判断する為には相見積もりを取ることは必須になります。
相見積もりとは、1社だけでなく複数の業者に対して見積もりを頼むことを指しており、1社にしか見積もりを頼まない場合、悪徳な業者は相場よりも高い見積もりをほぼ必ず出してきます。1社だけの場合はその見積りが高いのか安いのかの判断がつかない為必ず複数社に見積もりを依頼しましょう。
しかし、ぼったくられたくないからと言って、10社近く見積もりを取ってしまうと、時間がかかってしまいます。外壁塗装の見積もりはパッと出せるものではなく、しっかりと建物全体を見て、劣化している箇所などが無いかのチェックを行うので、時間もかかり、選択肢が多すぎると余計に悩んでしまいますので、3社程度が妥当でしょう。その中で、高すぎる見積もりを出している業者はもちろん候補から外すと思いますが、安すぎる業者も実は注意が必要です。
安すぎる見積もりを出す業者は手抜き工事をする可能性が出てきてしまいます。外壁塗装には必ずかかる費用として周りに塗料が飛ばないようにするメッシュシートや塗料などがあり、メッシュシートが無いと周りに迷惑をかけてしまったり、塗料が安価なものだと折角塗装をしてもすぐにはがれたり剥げてしまいます。安すぎても良くないという事もしっかりと理解しておきましょう。
②建設業許可・塗装技能士資格の確認
冒頭でも少しご紹介致しましたが、外壁塗装業を開業する際には免許や許可を取る必要はないので、どのような業者でも外壁塗装業を行うことは出来てしまいます。
しかし、「建設業許可」「塗装技能士資格」というものがあります。
建設業許可とは500万円以上の建設に係る工事を行う場合に必ず必要になるものです。基本的に戸建ての外壁塗装で500万円を超える事はありませんが、この許可を取るためには会社の資産状況や過去の業務履歴などが自治体によって審査されますので、500万円以上の塗装工事を市内にしても、所持している業者であれば安心はできるでしょう。
この「建設業許可」の確認は業者に直接確認をしなくても、業者の名前が分かれば国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業上検索システム」で確認することもできます。
そして塗装技能士資格とは、塗装の実技・学科に関する試験に合格した職人に与えられる国家資格です。この資格は1級2級3級があり、塗装技能士1級の受験条件は実務経験が7年以上必要となっており、1級合格には経験と技術の両方が必要になります。
依頼する業者に確認して、塗装技能士の資格を保有している職人さんが沢山いるのであれば、確かな技術が保証されるようなものです。
つまり、この二つの確認が取れれば技術力の不安は一気に無くなるので安心して依頼が出来ます。
③ホームページでの施工実績の確認
多くのお客様の相手をしている業者であれば多くの施工実績を持っており、HPで確認することが出来ます。
ここでいう施工実績はお客様のコメントなどではなく、足場工事、高圧洗浄、コーキング工事、養生、下塗り・中塗り・上塗りなどの各工程の写真が施工現場別に掲載されているものの事を指します。
この施工実績を見る際には、工事価格が書かれていることも確認しましょう。
毎回相場から逸脱した料金を請求している悪徳業者は詳しい料金は書けないですし、詳しい施工実績をアピールすることもなかなかできませんので、施工実績の説明が詳しければ詳しいほど信頼できる業者だと言えます。
しかし注意して頂きたいのは、HPがないからといって怪しい業者というわけではありません。お客様の口コミや紹介だけで営業している業者さんの可能性もあり、その場合は優良な業者の場合もあります。
HPがない優良な塗装業者ならば、過去の実績を見せてほしいと頼めば、見せて頂けることでしょう。
④工事保障(アフターフォロー)の確認
意外に見過ごしてしまいがちなのが、工事保障(アフターフォロー)の確認です。
施工不良の症状が現れるのは数年後になる事が多く、安く塗装をしてもらったとしても1~2年で塗装が剥げてしまっては、時間と費用が無駄になってしまうだけでなく塗り直しの費用もまた掛かってしまっては大変です。
そのような事が起こらないよう、無償で塗りなおしてもらえる「工事保証」が用意されているかどうかを必ず確認しておきましょう。
保証の期間は業者によって異なりますが、基本的に多いのが5~10年間以内の劣化に対しての補償を実施している業者が多いです。長い方がもちろん良いのですが、30年の補償などというのは塗料の耐久年数を超えているのでまずありえません。悪質な業者で保証期間の長さを売りにして、実際は無償ではなく費用がかかるというものもあったので注意しましょう。
定期的点検サービスや、数年に1回細かい場所の塗直しのサービスなどを実施している業者もありますので、ご自分のご希望に合わせたアフターサービスの会社を選ぶのも良いかもしれません。
【保障の種類】
・自社保証
外壁塗装業者独自の補償です。この保証は、保証期間中に外壁塗装業者が倒産すると、アフターフォローを受けることができません。
・第三者保証
外壁塗装業者の加盟する組合・団体が運営する補償です。外壁塗装業者が倒産しても、組合や団体によってアフターフォローを受ける事ができます。保証期間や内容は加盟組合・団体によって異なるため、契約前の確認は必ずしましょう。
・塗料メーカーによる保証
一部の塗料メーカーが運営する制度です。この保証は、かなり安心できる保証なのですが、対象地域や対象塗料の種類などの条件が厳しく、一戸建ての外壁塗装で適用されることは少ないので、この保証が無いからと言って悪い塗装業者ではありません。
⑤営業や受付の対応がしっかりしているか
外壁塗装業者の営業担当が、飛び込み営業に来ることは沢山あると思いますが、その場で契約すのは控えましょう。
外壁塗装は外から見て、塗装の剥がれやなどは一目瞭然の為、訪問営業をするほうもセールストークを準備しやすく、提案しやすいので騙しやすいという側面もあり、営業担当が「本日申し込みなら塗装工事の費用が半額」「本日申し込みなら足場代無料」などと言ってきた場合には、悪徳業者である可能性が非常に多いので注意が必要です。
もちろん飛び込み営業をしている業者が全て悪徳業者ではないのですが、悪徳業者の確率がインターネットや口コミで探すよりも高いのであまりお勧めしていません。
もしも訪問営業に来た業者を気に入ったとしても、その場で契約をすることは絶対にせず、営業に来た塗装業者をインターネットで調べたり、他の業者とも比較をした上で塗装業者を決めましょう。
飛び込み営業でなくても、難しい専門用語を並べる営業担当や、契約を焦らせる営業担当にも要注意です。
依頼主が外壁塗装に詳しくないのをいいことに、業者が有利になるよう誘導している可能性があります。
そのため、依頼主に寄り添った対応をしてくれる営業担当がいる業者に外壁塗装は依頼するようにしましょう。
2.塗装業者の探し方
外壁塗装業者の店舗は外見で探すことは難しく、見たことのある方は、かなり少ないと思います。
塗装業者の多くは、雑居ビルに事務所があり倉庫のような役割がメインになっているので店舗に行って話を聞くというよりも、連絡を取り、その後自宅に訪問して見積もりを出すという流れが多いです。
中々普段から目にすることが少なく、探し方も分かりづらいので、この章では探し方を3つほどご紹介致します。
①HPを探して依頼する
一番探しやすい方法は、インターネットで検索することで塗装業者を見つける方法です。
インターネットを使った塗装業者探しでは、キーワード検索で『(地名) 外壁塗装』と、調べると効率が良いです。そうすると地域の塗装業者も出てくるので、そこから複数の塗装業者のホームページを閲覧できます。
外壁塗装業者のHPでは、塗装業者選びのチェックポイントでご紹介した内容を複数確認出来るので、効率よく優良な塗装業者を探すことが出来ます。
②知人に紹介してもらう
外壁塗装を経験されたお知り合いの方がいたら、どの業者に頼み、どうだったかなどしっかりと聞いてみましょう。
知人からの紹介は、インターネットの情報よりも信頼性が高く、その塗装業者に満足をしていなければ、知人もあなたに紹介することはありません。悪徳な塗装業者に依頼してしまうリスクは限りなく少なくなりますので、塗装を検討する際に気をつけた点や塗装後に気づいた点なども、細かく聞いて参考にしましょう。
注意点としては、知人との関係性にもよりますが紹介してもらったことで、他社への見積もりや相談をしにくくなってしまうということがあります。
③一括見積りサービスを利用する
一括見積もりサイトとは、塗装業者を探している人が地域や坪数等の簡単な情報を入力するだけで地域の塗装店を紹介してくれるサイトのことです。
一回の入力で複数社を提示してくれるので、その中で相見積もりを取る事が可能になり、自分で塗装業者のHPを沢山見る必要が無いので時間をかなり短縮することができます。
時間をかなり短縮することができるので、業者の決定まで多くの時間を必要としないのも魅力です。
しかし、メリットばかりでなくデメリットもあり、一括見積もりサイトは基本的に塗装業者からの掲載料で成り立っており、元を辿れば塗装費用から捻出されていますので仲介料とまではいきませんが、掲載していない業者よりも費用は高くなってしまう事もあります。
他にも『人気No.1』や『オススメ』など一見安心できそうなワードが数多く並び、ついつい全てを鵜呑みにしてしまいそうになりますが、記載されている情報が全て正しいとは限りません。
このようなデメリットを把握し、しっかりと判断できる状態で利用するようにしましょう。
3. 外壁塗装の業者の種類
外壁塗装を依頼する事ができる業者は大きく分けると3つです。
・ ハウスメーカー
・ リフォーム業者
・ 地元の外壁塗装業者
もっと細かくすると、他にも外壁塗装が出来る業者さんはいますが、基本的にはこの3つに分けられます。この章では、それぞれのメリットやデメリットなどについてご紹介していきます。
①ハウスメーカー
ハウスメーカーとは、テレビなどでも良く耳にする『ダイワハウス』や『積水ハウス』といった大手の住宅建設業者の事を指します。家を建てる事だけでなく、リフォームも行っており、全国展開もしており、知名度がとても高いです。
【メリット】
ハウスメーカーのメリットは、なんといっても安心感があることです。施工実績も豊富で、補償内容も充実しており、悪質な塗装をされることはまずないでしょう。
よくハウスメーカーに頼むと手抜き塗装が行われるなどと言われますが、実際に起こる事はあまりありません。
デメリットにもなる部分ですが、ハウスメーカーは基本的に下請けの業者に依頼する事が多く、依頼を受けた下請け業者はハウスメーカーの看板がある以上、雑な塗装をしてクレームを受けてしまうと、ハウスメーカーからの依頼が無くなりお客様が減ってしまうからです。
そしてご自宅を建ててもらったハウスメーカーであれば、家に関する数々のデータを持っているので、外壁に適切な塗料や建築時に使ったものなども十分理解しており、工事を失敗する可能性はかなり低くなります。
また、規模の大きさから人手や下請け会社が十分確保されているのも、ハウスメーカーのメリットなので、依頼が重なり対応が遅れてしまうというケースはまずないでしょう。
【デメリット】
ハウスメーカーに外壁塗装を依頼した場合のデメリットは、費用が高くなってしまう事です。このくらいしかないのですが、このデメリットが非常に大きいです。
メリットでも多少触れましたが、ハウスメーカーに依頼しても実際に外壁塗装を行うのは、下請け業者の場合が多いです。
構造的には、依頼したお客様と実際に施工する塗装業者との間にハウスメーカーが入り、ハウスメーカーは安心と保証と対応を売ることで、料金が上乗せされていきます。
お客様と塗装業者が直接やり取りを行えば、この費用は掛からなくなるので費用が大きく増えてしまうのでは当然と言えば当然でしょう。
ハウスメーカーを通すことで補償などが手厚くなるのですが、それを踏まえても費用が圧倒的に高くなりがちです。
②リフォーム業者
リフォーム業者とは、基本的には新築工事などは行わず修繕やリフォームをメインで行っている業者です。
大手ハウスメーカーよりも小規模ですが、かなり多くの業者が存在しています。
【メリット】
リフォーム業者のメリットは、屋根・外壁の塗装以外にも直したいところがあれば一緒に直してもらえるというメリットがあります。
外壁塗装をやるのであれば、内装も少し変更したいなどの要望に対しては、リフォーム業者さんに頼むと塗装以外にリフォームの知識や技術を豊富に備えているので、一緒に実施してもらうことができ、費用も同時に行う事で安くすることもできます。
【デメリット】
リフォーム業者の中には、メイン業務としてずっとリフォームをしていたが、最近外壁塗装の事業も始めたという業者も少なくもありません。
外壁塗装は簡単そうに見えてしまいますが、塗料だけでも何千種類もあり、外装材や環境によっても塗り方も変える必要があったりと、かなりの知識量と経験が必要な技術です。
リフォーム業務は長いが、外壁塗装は短いという場合には外壁塗装の仕上がりに影響が出てしまうこともあるので、気を付ける必要があります。
③地元の外壁塗装業者
地元の外壁塗装会社とは、地域密着で決まったエリアでのみ営業をしている業者が多いです。インターネットでの広告はあまり利用しておらずホームページくらいのもので、紹介やリピートによってお客さんを獲得していることが多いです。
【メリット】
何といっても、地元の外壁塗装業者のメリットは価格が安いということです。
地元の外壁塗装業者に直接依頼をすることで、ハウスメーカーに依頼した時のように下請け業者に頼む事が無く、仲介手数料がかからないからです。
また、現場と依頼主の距離が近いため、意思伝達がスムーズに行え、何かあった時にすぐ来てくれたりと、親しみを感じやすく、融通が利きやすいのも地元業者のメリットの1つです。
地域に根差し何十年も塗装業をしている業者であれば、かなり信頼できる技術もあり、費用も安く、かなり良い条件で依頼する事が可能になっています。
【デメリット】
メリットを見る限り、安くて技術力も高いという事で皆さんが地元の塗装業者にお願いすればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、地元業者で探すと、業者が良質なのか悪質なのかを見極めるのが非常に困難となっており、決めるのに大変時間がかかってしまします。
地元の外壁塗装業者で依頼を考えている方は、今回ご紹介しているチェックポイントを参考に、悪徳業者に騙されないように、情報収集をしっかりと行いましょう。
4.外壁塗装で注意すべき手抜き工事
実際にしっかりと調べて業者にお願いをして安心してしまってはいけません。すべてが完了してから手抜きが発覚しても、間に合わない事もあります。
担当者がしっかりしているからと言って安心せず、工事が始まったら不正行為がないか、なるべく見に行くようにしましょう。
それでは、実際に多い手抜き工事について、ご紹介します。
①高圧洗浄の手抜き
まず塗装の前には、高圧洗浄で外壁の汚れをしっかり落とします。
この高圧洗浄の作業を、省略してしまったり、適当に作業してしまったりなどの手抜きを行うと、汚れが残っている状態で塗装するようになってしまいます。
汚れが残っている状態で塗装をしてしまうと、表面がガタガタした仕上がりになったり、折角塗装したのにはがれやすくなってしまったりと、塗装の寿命が短くなってしまうので、省略などをしていないかしっかりと確認しましょう。
②高圧洗浄後や塗装後の乾燥時間を待たない
高圧洗浄後や塗装後には、その時の気温や湿度などの状況に合わせた時間で、乾燥をさせなくてはいけません。
この乾燥が不十分の状態で2回目の重ね塗りや3回目の重ね塗りをしてしまうと、折角の塗料が定着せず、塗膜が剥がれやすくなってしまいます。
業者によっては、人件費削減や工期短縮のために、しっかりと適した乾燥を待たずに施工されてしまうことがあります。
特にじめじめした時期に塗装をお願いした場合は、乾燥に時間がかかるので短い乾燥時間で塗装されないよう注意が必要です。
③下地処理・補修作業の手抜き
塗装前に、外壁のひび割れや下地処理が行われていなかったなどという報告もあります。
この補修作業をしていないと、塗料がきれいに付着せず、またすぐに塗直しが必要になってしまいます。
塗装には色を塗るだけでなく、家を長持ちさせるための意味合いもあるので、この作業をしないと塗装の意味がなくなってしまうので、しっかりと修繕してから塗装をしてもらいましょう。
④見積書に記載している塗料を使わない
手抜きの中で多く見受けられるのがこの、見積内容と違う塗料を使っていたというものです。
見積書や契約書にはグレードの高い高価な塗料を記載しておき、実際はグレードが低い塗料で施工をして、コストを抑えるという手口です。これは確認がしやすいので、工事の当日に実際に使用している塗料の缶を見せてもらい確認しましょう。
全く見に来ないから大丈夫だろうなどと思われないように、頻繁にチェックをしに行きましょう。
⑤塗料を通常よりも薄めて使う
外壁塗装の塗料は、基本的に油性塗料であればシンナー、水性塗料であれば水で薄めてから使用します。
薄める量は製品ごと比率が定められており、しっかりと守らないと塗料そのものの効果が得られません。しかし、規定より多い量の水で塗料を薄めて、材料費を減らす手口も存在します。
正直このような手口は時間がたってからでないと気づけないことが多いので、最初の業者決めでこのような手口をするような業者に依頼しないようにすることが回避方法です。
⑥塗りの回数を減らす
通常外壁塗装と言えば、3回塗りが基本になります。
しかし、実際には2回塗りで済ませる業者もおり、特に2回目と3回目に同じ塗料を使用する場合、塗装が終わった直後では、何度塗りしているかの判断はとてもむずかしいので、作業している工程をこまめに確認しに行くことでしか判断することが出来ません。
ここに記載した内容を行われると、塗装が長持ちしません。アフターフォローがしっかりしていて、数年以内に剥がれたら対応してくれるような業者であれば、自分たちで塗直しが必要になってしまうので、このような手抜きは行わないでしょう。
しかし、全く塗装中に見に行かないと後から何かに気づいても泣き寝入りになってしまう事もあるので、見に行ける時はしっかりと見に行きましょう。
5. 営業の際に悪質業者がよく使う手口
この章では訪問営業の際はもちろんですが、自分から業者を調べ訪問してもらう場合でも見極める判断材料になる悪徳業者が良く使う手口をご紹介します。
国民生活センターの発表によると、訪問販売によるリフォーム工事の相談件数は、2021年だけでも9,734件もあり、年々増加傾向にあるので2022年はもっと増えている可能性もあります。
自分は大丈夫だとは思わずに、しっかりと警戒しましょう。
①不安感をあおってくる
・外壁の劣化が激しく、いますぐに工事を始めないと倒壊する恐れがあるので危険。
・このまま放置していては、大変なことになってしまう。
などと必要以上に不安を煽ってくる業者は悪徳業者である可能性が非常に高くなるので気をつけましょう。このように不安を煽ってくるのは、天災があった後などは特に、訪問営業がよく使う手口の一つです。
慌てて外壁の修繕や屋根の修繕をしたくなってしまうところですが、外壁はチョーキング現象や大きなクラック(ひび割れ)があるなど、あからさまに分かりやすい症状が出ていない場合を除き、1分1秒を争うほどすぐに塗り替えなければならない事はありません。
無駄に不安を煽ってきて不安な気持ちにさせる業者よりも、どうしたら直るのか、どのくらいの期間でどのような状態になるのかなど、詳細を落ち着いてしっかりと伝えてくれる業者に頼みましょう。
②契約を急かす
不安感をあおるのと似ていますが、
・今日中に決めてください
・この価格で出来るのが本日までです
このような即日契約を取ろうとしてくる業者にも気を付けましょう。
その場での契約は、冷静な判断ができない場合もありますし、上記項目でも伝えましたがしっかりとHP等で調べてからでないと騙されてしまう可能性が出てきてしまうので、絶対にその場で契約はせず、しっかりと理由を伝えて一度帰ってもらいましょう。
良心的な業者であれば、自社のメリットを伝え検討する時間をしっかりくれるはずなので、再度連絡をしても、親切な対応をしてくれるので大丈夫です。
③大幅な値下げ
・今申し込み頂ければ、キャンペーン中なので半額になります
・地域の方限定で大幅割引をしています。
このように、大幅な値下げをしてくる場合も注意が必要です。
値引きをしてくれるならいいじゃないかと思うかたもいらっしゃると思いますが、他の業者であれば100万円で出来る内容なのに300万円が通常価格、それを半額で150万円などという場合もありますので、このような場合はしっかりと相見積もりをして判断しましょう。
その他にも、本当に安いが利益があまり残らないので、この記事でもご紹介した人件費や塗料代を削減した粗悪な手抜き工事を行う可能性もあります。
④外壁塗装の耐久年数が長すぎる
外壁塗装は地域の特性などにもよりますが、一般的には10~15年の周期で塗り替えが必要と言われております。耐久性に優れたかなり高価な塗料を使用したとしても、20~25年前後以上持つことはございません。
ですので、
・当社の塗料は40年持ちます
・半永久的な塗料です
このような事を営業に言われた場合は信じてはいけません。
そのような真実性の薄い塗料を使われるより、塗料の耐用年数に応じたアフターフォローがある業者に依頼をした方が間違いありません。
施工実績がないオリジナル塗料を勧められる場合も注意が必要で、長持ちのしない塗料を使われてしまう可能性があるため、気を付けましょう。
⑤足場0円
外壁塗装は、基本的に足場の設置費用がかかります。
建物の高さや、設置する範囲にもより変わりますが、大体数十万円ほど足場だけでも必要になる事がほとんどで、足場を組む職人は国家資格が必要になります。
この足場を0円で提供するというのはあまり現実的ではなく、別の費用項目に上乗せしている事も考えられます。
安全で丁寧な施工をするためには、足場は欠かせないものなので、一部的な補修でない限りは足場を作らずに塗装するという事はまずないでしょう。
いずれにしても足場代が0円ですと勧誘してくる業者は信頼しづらいのは明らかでしょう。
しかし、足場の設置スペースがない場所での施工時などは、ゴンドラやクレーンを使って作業する場合もあるので足場代はかかりませんが、その場合は足場代よりも基本的には費用がかかるので、それはまた違う意味でおかしいでしょう。
⑥全額先払い
外壁塗装の支払い方として、かなり大きい金額の場合は工事前と工事後の分割、通常は全額後払いが主流となっております。
大手の業者などよっぽど安心できる場合を除き、全額先払いを要求してきた場合、着工せず持ち逃げされる可能性を考えておかなければなりません。そのような心配ごとを考えるだけ無駄なので、契約時に全額先払いを要求された場合はやめておいた方が無難でしょう。
どうしてもメリットが多く検討したい場合は、即決は絶対にせず、他の業者とも比較して慎重に判断しましょう。
⑦追加工事の提案
追加工事というものは、基本的に発生する事の方が珍しいです。
優良業者は塗装に入る前の見積もりの時点で、徹底的にチェックをして見積もりを作成してくれるので、傷んでいる箇所なども事前に明記されており、工事を開始してからの追加工事は基本的に発生しません。
悪質業者は見積もりの時点では基本的な料金しか記さずに安く見せ、後々になって壁に大きな亀裂があったから、追加工事が必要ですなどと言い、塗装の作業に入ってしまっている為断れない事をいい事に通常よりも高い金額で提示してきたりします。
これを回避するのにも相見積もりは有効な対策なので、しっかりと実施しましょう。
例外としては、外から判断がつかない屋根内部の雨漏りなど、契約時点では発見が非常に困難な場所の場合は優良業者でも追加工事が必要な場合があります。
6. まとめ
今回ご紹介した「塗装業者選びのチェックポイント」をしっかりと知識として入れておき、塗装業者選びをして頂ければ極端に悪い業者にあたってしまう事はまずないでしょう。
そして、その知識+αで手抜き工事にどのようなものがあるのか、悪質な業者はどのような手口で提案しているのかなどを把握しておけばもう安心です。
塗装業者を決めるのは、中々時間もかかり大変ですがしっかりと時間をかけた分安い費用で良い技術を提供する塗装業者と巡り合えると思いますので、損が無いように選んでいきましょう。